蓄電池はやめたほうがいい?1kWhで得する額を計算|オール電化・太陽光なしの判断基準

蓄電池はやめるべき?1kWhの得は7.90円と27.95円

更新日:2026年11月2日/一次情報の確認日:2026年10月24日(東京電力の単価は2026年11月2日)

7.90円と27.95円。

どちらも、蓄電池に1kWhためて使ったときに浮く電気代の上限です。東京電力の料金で計算すると、太陽光がない家では1kWhあたり7.90円、卒FITの家では27.95円。同じ蓄電池でも、得になる額は3倍以上違います。

「蓄電池はやめたほうがいい」という意見が正しいかどうかは、この差で決まります。感覚ではなく、自分の家の数字で判断できるように整理します。

【結論】太陽光がない家で、電気代を下げるために蓄電池を買うのはやめたほうがいいです。安い夜の電気をためても1kWhあたり7.90円しか浮かず、費用を回収できる見込みが低いためです。反対に、卒FITの家や、東京都の助成を使える家は検討する価値があります。オール電化の家は、夕方〜深夜1時に使う電気を太陽光でまかなえるかで決まります。

確認したいこと答え(2026年10月時点)出典
卒FIT後の売電価格(東京電力)8.50円/kWh(税込、再エネ買取標準プラン)東京電力エナジーパートナー
新しく設置する太陽光の売電価格10kW未満は最初の4年が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWh(2025年度下半期〜2026年度の認定)資源エネルギー庁
買う電気の単価(東京電力、2026年11月1日以降)従量電灯Bは120kWhまで29.85円、300kWhまで36.45円、それ以上40.54円。オール電化向けスマートライフは6時〜翌1時35.81円、1時〜6時27.91円東京電力エナジーパートナー
蓄電池の価格2024年度の家庭用は本体12.1万円/kWh+工事費1.6万円/kWh(補助事業データの加重平均)経済産業省(委託調査)
東京都の助成新設は10万円/kWh。DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸東京都

出典:東京電力エナジーパートナー「再エネ買取標準プラン」/資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」/東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」/東京電力エナジーパートナー「スマートライフ(オール電化)」/経済産業省 委託調査報告書「定置用蓄電システム等電力貯蔵システムの普及拡大に向けた調査」(2026年3月31日、三菱総合研究所)/東京都「断熱・太陽光住宅普及拡大事業 補助申請期間等」別紙2(2026年2月18日)(いずれも2026年10月24日確認。東京電力の単価は2026年11月2日確認)。買う電気の単価は燃料費調整額と再エネ賦課金を含まない税込の単価です。

この記事でわかること

  • 蓄電池で浮く電気代は「買う単価−売る単価」で決まること
  • 太陽光なし・FIT期間中・卒FIT・オール電化で、1kWhあたりの得がどれだけ違うか
  • やめたほうがいい家庭と、検討する価値がある家庭の条件
  • オール電化の家で蓄電池が必要かどうかの考え方
目次

蓄電池で浮くお金は「買う単価−売る単価」で決まる

蓄電池で浮く電気代は、1kWhあたり「買うはずだった電気の単価」から「その電気を売っていたら得られた単価」を引いた額です。蓄電池そのものが電気を生むわけではないからです。

太陽光の余りをためて夜に使えば、夜に買う電気が減ります。その代わり、昼に売っていた電気は売れなくなります。この差が大きいほど蓄電池は得になり、小さいほど損になります。

家の状況買うはずだった単価あきらめる単価1kWhあたりの得
卒FIT(従量電灯B・月120〜300kWhの段階)36.45円8.50円(売電)27.95円
卒FIT(従量電灯B・月300kWh超の段階)40.54円8.50円(売電)32.04円
太陽光を新設・最初の4年(従量電灯B・月120〜300kWhの段階)36.45円24円(売電)12.45円
太陽光を新設・5〜10年目(同上)36.45円8.3円(売電)28.15円
オール電化・卒FIT(6時〜翌1時に使う)35.81円8.50円(売電)27.31円
オール電化・卒FIT(1時〜6時に使う)27.91円8.50円(売電)19.41円
太陽光なし・オール電化(1時〜6時にためて昼に使う)35.81円27.91円(夜に買う電気)7.90円
東京電力エナジーパートナーの単価(税込、燃料費調整額・再エネ賦課金を含まない)と資源エネルギー庁の調達価格で本記事が計算。充電・放電のロスは含めていないため、実際の得はこれより小さくなります

実際の請求では、買う電気に燃料費調整額と再エネ賦課金が加わります。そのぶん買う単価は上がるので、得は表より少し大きくなることがあります。一方で、ためて取り出すまでに電気のロスが出るため、その分は小さくなります。

なお、この記事の単価は東京電力が2026年11月1日に見直した後のものです。見直しの前後で、スマートライフの1kWhあたりの差(7.90円)は変わっていません。

1年でいくら浮くか|7kWhを毎日使い切った場合

下の表は、7kWhの蓄電池を毎日満充電して使い切った場合の上限の目安です。実際は天気や季節で満充電にならない日があり、ロスもあるため、これより少なくなります。

家の状況(想定ケース)1年で浮く額の上限費用を回収する年数(助成なし)費用を回収する年数(東京都の助成あり)
卒FIT(27.95円/kWh)約7.1万円約13.4年約3.6年
太陽光なし(7.90円/kWh)約2.0万円約48年約13年
7kWh×365日=2,555kWhで計算。費用は2024年度の平均単価13.7万円/kWh×7kWh=約96万円、東京都の助成(10万円/kWh×7kWh=70万円)を引くと約26万円。太陽光がない場合に都の助成の対象になるかは、申込前に確認が必要です(本記事の試算)

太陽光がない家は、助成なしだと回収に約48年かかる計算です。太陽光を新設した家は、売電24円の最初の4年は1年で約3.2万円、5年目からは約7.2万円が上限の目安です。蓄電池の保証期間より回収年数が長いなら、電気代のための購入はやめたほうがいいと考えてください。保証期間は機種ごとに違うので、見積書で確認します。

主なメーカーの保証の年数と、保証で残る容量の基準はこちらで比べています。
蓄電池の寿命は何年?保証の年数・交換と処分の手順、東京都の助成が使えるか【2026年】

卒FITの家は、助成なしでも約13.4年、東京都の助成を使えば約3.6年という計算になります。同じ蓄電池でも、助成の有無で判断が大きく変わることがわかります。

受け取れる補助金は、お住まいの自治体で変わります
該当するほうから、無料で見積もりを取れます。

※東京都は蓄電容量1kWhあたり10万円と全国で最も手厚い制度です。都外の自治体でも独自の補助制度があります。見積もりを取っても契約の義務はありません。

蓄電池をやめたほうがいい家庭

次のどれかに当てはまる場合は、いったん見送るか、別の方法を先に検討してください。

当てはまることやめたほうがいい理由代わりに考えること
太陽光がなく、目的は電気代1kWhあたり7.90円しか浮かない先に太陽光を検討する/料金プランを見直す
太陽光を設置して4年以内(売電24円)売電が高く、1kWhあたりの得が12.45円と小さい5年目以降の後付けと比べる(助成の条件が変わる可能性も考える)
回収年数が保証期間より長い保証が切れたあとの故障や劣化で、元が取れないおそれ助成を使える時期まで待つ/容量を小さくする
夜に使う電気が少ないためた電気を使い切れない容量を小さくする
賃貸・数年以内に転居や建て替え設置できない、または回収前に手放す停電対策ならポータブル電源
訪問販売でその場の契約を迫られている他社と比べられず、価格が妥当か判断できないその場で契約せず、複数社の見積もりを取る
本記事の整理です

訪問販売で提示された金額が高いと感じたときの確認方法と断り方は、こちらにまとめています。
蓄電池の訪問販売が「高い」と感じたら読む記事|相場・断り方・対処法

ためた電気を毎日使い切れる容量の決め方は、こちらで計算しています。
蓄電池の容量は何kWh?電気の明細で決める3ステップと「12kWhの壁」

蓄電池を検討する価値がある家庭

卒FITの家と、東京都の助成を使える家は、検討する価値があります。1kWhあたりの得が大きく、費用も助成で大きく下がるからです。

  • 卒FITを迎えた、またはまもなく迎える:売電が8.50円に下がり、ためて使うほうが1kWhあたり27.95円以上得になる
  • 東京都など、助成が手厚い地域に住んでいる:東京都は新設で10万円/kWh
  • 夕方から夜に電気を多く使う:ためた電気を毎日使い切りやすい
  • 停電すると生活や仕事に大きく困る:在宅で医療機器を使う、在宅勤務、オール電化など

卒FITの家で、蓄電池が必要かどうかをさらに詳しく判断したい場合はこちらです。
卒FIT後に蓄電池は必要?導入すべき人・不要な人の判断基準を徹底解説

千葉で卒FITを迎えた家の場合は、市の補助を入れてこちらで計算しています。
卒FIT後、千葉で蓄電池は必要?売電8.5円と市の補助7万円で計算|千葉市・船橋・松戸・市川・柏

東京都の助成の条件は、こちらにまとめています。
東京都の蓄電池補助金|DR参加で上限120万円が撤廃・10月1日で機種が変わる

神奈川・千葉・埼玉の補助の違いと受付状況はこちらです。
神奈川・千葉・埼玉の蓄電池補助金【2026年11月】県ごとの違いと今の受付状況

オール電化の家に蓄電池は必要か

オール電化の家でも、判断の基準は同じです。太陽光があるなら、夕方〜深夜1時に使う電気を、昼の余りでまかなえるかで決まります。

東京電力のスマートライフでは、6時〜翌1時の単価(35.81円)は従量電灯Bの第2段階(36.45円)とほぼ同じです。一方、1時〜6時は27.91円と安くなっています。そのため夕方〜深夜1時に使う分は得が大きく、深夜1時〜6時に使う分は得が小さいという違いが出ます。

オール電化の家の状況判断理由
太陽光あり・卒FIT・夕方〜深夜1時の使用が多い検討する価値あり1kWhあたり27.31円得になる時間帯に使える
太陽光あり・夜の使用はエコキュートの深夜沸き上げが中心効果は小さめ深夜1時〜6時の分は1kWhあたり19.41円にとどまる
太陽光なし・電気代が目的やめたほうがいい夜の電気をためて昼に使っても1kWhあたり7.90円
停電時に調理・お湯・暖房が止まるのが心配停電対策として検討ガス併用の家より停電の影響が大きい。ただし使える家電は出力(kW)で決まる
東京電力エナジーパートナー「スマートライフ」の単価をもとに本記事で整理

オール電化の家は、停電するとIHもエコキュートも止まります。停電対策を重視するなら、200Vの家電が使えるか、定格出力が何kWかを必ず確認してください。停電時に使える家電の計算はこちらです。
蓄電池は停電で本当に役立つ?容量kWhより出力kWで決まる16家電の実数

停電したときに太陽光の電気を使う切り替え手順はこちらです。
太陽光は停電で使える?自立運転の切り替え7手順と、家庭の非常用電源の選び方

自分の家で判断する3つの手順

電気の明細と、契約している料金プランがわかれば判断できます。業者のシミュレーションを見る前にやっておくと、数字が大きすぎないか確かめられます。

  1. 売る単価と買う単価を調べる:明細や電力会社のサイトで、売電の単価と、夕方〜夜に買っている電気の単価を確認する
  2. 1年で浮く額を出す:(買う単価−売る単価)×毎日ためて使える量×365日。ためて使える量は、夜の買電量と太陽光の余りの小さいほう
  3. 回収年数と保証期間を比べる:(見積額−助成額)÷1年で浮く額。これが保証期間より長いなら見送る

業者のシミュレーションと結果が大きく違うときは、どの単価で計算しているかを聞いてください。売電の単価を実際より低く、買う単価を実際より高く置くと、得が大きく見えます。見積もりを同じ条件で比べる方法は、こちらにまとめています。
太陽光・蓄電池の相見積もりを同条件に揃える6項目|比較シート付き

見積もりをどこに頼むかは、こちらで比べています。
蓄電池の一括見積もりサイト比較【2026年】東京都の専門業者と全国対応のサービス

どこで買うと安くなるかは、購入先ごとの違いをこちらで比べています。
蓄電池はどこで買う?購入先6つの違いと一番安く買う4つの方法【2026年】

受け取れる補助金は、お住まいの自治体で変わります
該当するほうから、無料で見積もりを取れます。

※東京都は蓄電容量1kWhあたり10万円と全国で最も手厚い制度です。都外の自治体でも独自の補助制度があります。見積もりを取っても契約の義務はありません。

よくある質問

蓄電池は本当に必要ですか

家によります。卒FITの家では、ためて使うと1kWhあたり27.95円以上得になり(東京電力の場合)、東京都の助成を使えば回収の見込みも立てやすくなります。太陽光がない家で電気代を下げる目的なら、1kWhあたり7.90円しか浮かないため、必要性は低いです。

太陽光と蓄電池は同時に入れたほうがいいですか

電気代だけで見ると、新設した太陽光の最初の4年は売電が24円と高いため、蓄電池の得は1kWhあたり12.45円と小さくなります。一方で、工事が1回で済む、停電に早くから備えられる、という利点もあります。後付けにする場合は、そのときの助成の条件が今と同じとは限らない点も考えてください。

オール電化なら蓄電池はいりませんか

太陽光がないなら、電気代のためにはいりません。太陽光があり、夕方〜深夜1時に電気を多く使う家なら、1kWhあたり27.31円得になる時間帯に使えるため、検討する価値があります(東京電力のスマートライフ・卒FITの場合)。

「蓄電池で電気代がゼロになる」と言われました

そのまま信じないでください。基本料金はかかりますし、冬や雨の日は太陽光の余りが少なく、蓄電池が満充電にならない日があります。どの単価と使用量で計算したのか、根拠を書面で出してもらってください。

東京電力以外と契約していても同じですか

考え方は同じですが、単価が違うので結果は変わります。契約している電力会社の「買う単価」と「売る単価」で、この記事の表と同じ引き算をしてください。

まとめ

  1. 蓄電池で浮くお金は1kWhあたり「買う単価−売る単価」
  2. 東京電力の場合、卒FITの家は27.95円以上、太陽光がない家は7.90円
  3. 太陽光がない家で、電気代のために買うのはやめたほうがいい
  4. 太陽光を新設して最初の4年は売電24円のため、蓄電池の得は小さい
  5. オール電化の家は、夕方〜深夜1時の使用を太陽光でまかなえるかで決まる
  6. 回収年数が保証期間より長いなら見送る。東京都の助成で判断は大きく変わる

「やめたほうがいい」も「絶対に入れるべき」も、どちらも家によって正しくも間違いにもなります。明細の単価で一度計算してから、見積もりを取ってください。

受け取れる補助金は、お住まいの自治体で変わります
該当するほうから、無料で見積もりを取れます。

※東京都は蓄電容量1kWhあたり10万円と全国で最も手厚い制度です。都外の自治体でも独自の補助制度があります。見積もりを取っても契約の義務はありません。

参考にした一次情報
東京電力エナジーパートナー「再エネ買取標準プラン」「従量電灯B・C」「スマートライフ(オール電化)」「【自由料金】2026年11月1日からの見直し後の料金単価」/資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」/経済産業省 資源エネルギー庁 委託調査報告書「令和7年度エネルギー需給構造高度化対策調査等事業 定置用蓄電システム等電力貯蔵システムの普及拡大に向けた調査」(2026年3月31日、三菱総合研究所)/東京都「断熱・太陽光住宅普及拡大事業 補助申請期間等」別紙2(2026年2月18日)(いずれも2026年10月24日確認。東京電力の単価は2026年11月2日確認)

※1年で浮く額と回収年数は、毎日満充電して使い切り、ロスがない前提の上限の目安です。実際の額は天候・使い方・機種・料金プランにより変わります。クール・ネット東京の公式サイトは2026年10月22日からメンテナンス中のため、助成の最新の要件と受付状況は申込前に確認してください。

目次