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更新日:2026年9月7日/一次情報の確認日:2026年9月7日
住宅用太陽光の設置費用は、2025年設置の全国平均で新築28.9万円/kW、既築30.1万円/kW。5kWなら150万円前後です。
ここまでは、どの記事にも書いてあります。
この記事で扱うのはその先です。その150万円は何に払っているのか。そして何年で回収できるのか。後者について正直に計算すると、多くの記事が書いている「8〜12年」とは違う数字が出ます。
受け取れる補助金は、お住まいの自治体で変わります
該当するほうから、無料で見積もりを取れます。
※東京都は蓄電容量1kWhあたり10万円と全国で最も手厚い制度です。都外の自治体でも独自の補助制度があります。見積もりを取っても契約の義務はありません。
経済産業省の調達価格等算定委員会の資料をもとに、1kWあたりの内訳を整理します。
| 項目 | 1kWあたり | おおよその割合 | 5kWでの金額 |
|---|---|---|---|
| 太陽電池モジュール(パネル) | 約14.5万円 | 約50% | 約72.5万円 |
| 工事費 | 約7〜8万円 | 約27〜29% | 約35〜40万円 |
| 架台 | 約2.8万円 | 約10% | 約14万円 |
| パワーコンディショナ | 約2.7万円 | 約9〜12% | 約13.5万円 |
| その他(配線・申請代行など) | 残り | ― | ― |
半分がパネル、3割弱が工事費。この構成を覚えておくと、見積書の異常値に気づけます。
たとえば「一式」表記で工事費が総額の半分を超えているような見積書は、内訳の説明を求める価値があります。
10年単位で見ると、太陽光の価格には奇妙なねじれがあります。
調達価格等算定委員会の資料によれば、太陽電池モジュールの費用は2013年から2023年にかけて約55%減少しました。半額以下です。ところがシステム全体のkW単価は、同じ期間で約30〜35%の低下にとどまります。
差を生んでいるのは工事費です。
パネルは工業製品なので量産効果で下がります。しかし屋根に上がって取り付ける作業は、量産できません。むしろ人件費の上昇で、工事費は横ばいから微増の局面に入っています。
2022年まで、設置費用は下落を続けていました。2023年以降は資材価格の高騰、人件費の上昇、為替の影響を受けて緩やかな上昇に転じています。
「太陽光は年々安くなるから待つべき」という判断は、直近の実績とは合っていません。今後もパネル単価は下がる可能性がありますが、工事費が下がる材料は見当たらない。
設置費用だけで判断すると、後から出る費用を見落とします。
パネルの想定使用年数が20年以上あるのに対し、パワコンは10〜15年程度とされています。FIT期間の10年を終えたあたりで、交換が視野に入るということです。
本体価格は1kWあたり約2.7万円ですが、交換時は工事費が別途かかります。回収シミュレーションに、この費用が織り込まれているかを確認してください。
なお蓄電池を後から追加する予定があるなら、最初からハイブリッド型のパワコンを選んでおくと、後で二重投資にならずに済みます。設置時点で蓄電池の予定がなくても、確認しておく価値があります。
住宅用太陽光にも定期的な点検が推奨されています。点検、パワコン交換、必要に応じた清掃をすべて行うと、設置から30年で合計120万円前後という試算もあります。
ただしこれは30年分の合計で、すべてを実施した場合の上限に近い数字です。「毎年これだけかかる」という話ではありません。不安を煽る文脈で使われることがあるので、期間と前提を確認してください。
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
多くの記事が回収年数を「8〜12年」と書いています。ただしその多くは、売電単価を10年一律で計算しています。2025年度下期以降に設置する場合、売電単価は1〜4年目が24円、5〜10年目が8.3円の2段階です。
この前提で計算し直します。
| システム | 既築の戸建てに5.0kW |
| 設置費用 | 30.1万円/kW × 5.0 = 150.5万円 |
| 年間発電量 | 5,500kWh(1kWあたり1,100kWh) |
| 自家消費率 | 30%(1,650kWh) |
| 売電量 | 70%(3,850kWh) |
| 電気代の目安単価 | 31円/kWh |
| 売電単価 | 1〜4年目24円/5〜10年目8.3円 |
| 1〜4年目 | 5年目以降 | |
|---|---|---|
| 電気代の削減 | 約51,000円 | 約51,000円 |
| 売電収入 | 約92,400円 | 約32,000円 |
| 年間合計 | 約143,000円 | 約83,000円 |
5年目で年間の手取りが約6万円減ります。ここが計算の分岐点です。
| 補助金なし | 補助金60万円を適用 | |
|---|---|---|
| 実質負担額 | 150.5万円 | 90.5万円 |
| 4年間の回収額 | 約57.2万円 | 約57.2万円 |
| 5年目時点の残額 | 約93.3万円 | 約33.3万円 |
| 残額の回収に必要な年数 | 約11.2年 | 約4.0年 |
| 回収完了の目安 | 約16年 | 約8年 |
補助金の有無で、回収年数が倍違います。
東京都のように既築で12万円/kW(5kWで60万円)が出る地域なら約8年。補助金がない地域では約16年で、FIT期間の10年を大きく超えます。
この計算で分かること
太陽光の経済性は、設置費用よりお住まいの自治体の補助制度で決まります。「太陽光は元が取れる/取れない」を全国一律で語ることはできません。まず自分の自治体でいくら出るかを確認してください。
なお11年目以降はFIT期間が終わり、売電単価はさらに下がります。一方で自家消費分の削減効果は続くため、蓄電池を追加して自家消費率を上げるという選択肢が出てきます。
受け取れる補助金は、お住まいの自治体で変わります
該当するほうから、無料で見積もりを取れます。
※東京都は蓄電容量1kWhあたり10万円と全国で最も手厚い制度です。都外の自治体でも独自の補助制度があります。見積もりを取っても契約の義務はありません。
手元の見積書を検算する手順は太陽光発電の見積もりで最初に見る場所|売電24円は最初の4年だけで解説しています。複数社を並べる段階なら相見積もりを同条件に揃える6項目が役に立ちます。
足場代や申請費用のように、容量に比例しない固定的な費用があります。そのため容量が大きいほど1kWあたりの単価は下がります。
| 容量 | 既築の総額目安 | 想定される世帯 |
|---|---|---|
| 3.0kW | 約90万円 | 2〜3人 |
| 4.0kW | 約120万円 | 4〜5人 |
| 5.0kW | 約151万円 | 4〜5人・電気使用量が多い |
| 6.0kW | 約181万円 | 大家族・オール電化 |
ただし屋根に載る量には限りがあります。単価を下げるために無理に容量を増やすと、影のかかる面や不利な方位まで使うことになり、発電効率が落ちます。載せられる範囲で決めてください。
5kWの相場が約151万円であることを踏まえて、次の数字を見てください。
市場では、訪問販売による提案で太陽光パネル単体が200万円を超える例が報告されています。同じ5kWで、相場の1.3倍以上ということになります。
製品が特別なわけではありません。国内で流通している住宅用太陽光は限られたメーカーの製品で、訪問販売専用の特殊なパネルというものは基本的に存在しない。差を生んでいるのは、営業の歩合、集客コスト、中間マージンです。
判定は単純です。総額 ÷ 容量kW を計算して、30万円/kWを大きく超えていないか。それだけで異常値は見つかります。
1番の効果が突出しています。先ほどの計算どおり、補助金60万円で回収年数が16年から8年になる。値引き交渉より、制度を使い切るほうが金額のインパクトは大きい。
2025年設置の全国平均で、新築が28.9万円/kW、既築が30.1万円/kWです。5kWなら新築で約145万円、既築で約151万円が目安になります。パネル・パワコン・架台・工事費を含む総額です。
補助金の有無で大きく変わります。5kWの既築で試算すると、補助金なしなら約16年、60万円の補助金を適用できれば約8年です。売電単価が5年目から8.3円に下がるため、5年目以降の回収ペースが落ちる点が影響しています。パワコンの交換費用を含めれば、さらに延びます。
新築は設計段階からパネルの配置に合わせられますが、既築は既存の屋根形状に合わせるため、追加の部材や工事が発生します。屋根材や築年数によっては補強が必要になる場合もあります。
定期点検、パワーコンディショナの交換、必要に応じた清掃を30年間すべて行った場合で、合計120万円前後という試算があります。ただしこれは30年分の合計であり、毎年発生する金額ではありません。最も大きいのはパワコンの交換で、寿命は10〜15年程度とされています。
2022年まで下落していましたが、2023年以降は資材価格と人件費の高騰により緩やかに上昇しています。パネル自体は2013年から2023年で約55%下がった一方、工事費は下がっていません。「待てば安くなる」という前提は、直近の実績とは合っていません。
相場の1.3倍以上です。総額を容量で割ると40万円/kWとなり、全国平均の30.1万円/kWを大きく上回ります。他社と同じ条件で相見積もりを取る価値があります。
同時導入なら足場と電気工事を共有できるため、別々に設置するより合計で10〜20万円程度抑えられるケースがあります。ただし蓄電池自体が80〜180万円程度かかるため、総額は大きく上がります。判断は補助金の内容と、自家消費率をどこまで上げたいかによります。
太陽光が得か損かは、設置費用ではなく補助金で決まります。値引きを1割引き出すより、制度を使い切るほうが金額は大きい。
まず、お住まいの自治体でいくら出るかを確認してください。
受け取れる補助金は、お住まいの自治体で変わります
該当するほうから、無料で見積もりを取れます。
※東京都は蓄電容量1kWhあたり10万円と全国で最も手厚い制度です。都外の自治体でも独自の補助制度があります。見積もりを取っても契約の義務はありません。
参考にした一次情報
経済産業省「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日公表)/資源エネルギー庁「太陽光発電について」(2026年1月/調達価格等算定委員会 資料1)/経済産業省 調達価格等算定委員会「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」(設置費用の内訳)
※費用・発電量・回収年数はすべて試算値です。設置条件・地域・電気料金プラン・天候により大きく変動します。補助金は自治体ごとに異なり、年度途中で受付を終了する場合があります。売電単価および制度内容は変更される場合があります。