24時間365日受付

更新日:2026年9月8日/一次情報の確認日:2026年9月8日
613件。
国民生活センターに寄せられた、太陽光発電システムの点検商法に関する相談件数(2024年度)です。2017年度は57件でした。8年で10.7倍になっています。
突然の訪問に「怪しい」と感じるのは、気のせいではありません。実際に相談が増えています。
ただし、訪問販売そのものは適法な販売方法です。問題は手法ではなく、比較する時間を与えられないまま判断を迫られることにあります。この記事では、実際に使われている手口と、その場で見抜く方法、そして契約してしまった場合の解約手順までを整理します。
東京都の蓄電池補助は全国で最も手厚い制度です
制度を使い切れる業者かどうかで、実質負担額は数十万円変わります。検討中の機種が10月以降も対象になるかを含めて、まず見積もりで確認してください。
※見積もりを取っても契約の義務はありません。補助金は年度途中で受付を終了する場合があります。
まず実数から確認します。すべてPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された件数で、推測ではありません。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2017年度 | 57件 |
| 2018年度 | 59件 |
| 2019年度 | 53件 |
| 2020年度 | 62件 |
| 2021年度 | 90件 |
| 2022年度 | 154件 |
| 2023年度 | 304件 |
| 2024年度 | 613件 |
2022年度以降、毎年ほぼ倍増しています。
| 年度 | 点検商法 | 訪問販売リフォーム |
|---|---|---|
| 2023年度 | 12,550件 | 11,879件 |
| 2024年度 | 19,249件 | 9,839件 |
| 2025年度 | 19,696件 | 5,544件 |
| 2026年度(5月末時点) | 2,193件 ※前年同期2,012件 | 602件 ※前年同期680件 |
訪問販売リフォーム全体の相談は減っている一方、点検商法だけは2026年度に入っても前年同期を上回っています。「無料点検」を入口にする手法が、いまも機能しているということです。
ここが、この記事でいちばん伝えたい点です。
国民生活センターが公表した事例に、次のものがあります。
80代女性・2024年12月受付
「太陽光パネルの点検が法律で義務化された」と告げられ、約40万円のコーティング契約をした。
一般家庭に対して、太陽光発電システムの点検が法律で一律に義務化された事実はありません。
電気事業法に基づく保安規制や、再エネ特措法の適切な維持管理の義務は存在しますが、FIT・FIP制度の利用有無や設備の規模によって対象が異なります。訪問してきた事業者が、その場で「あなたの家が義務対象だ」と断定できる根拠はありません。
「義務化された」という言葉が出た時点で、契約せずに帰ってもらって構いません。
同センターの別の事例では、「市から委託された」と名乗る事業者が無料点検で訪問し、「売電装置が壊れている」「パネルが破損している可能性が高い」と説明したうえで、「国の補助金が出るので安くなる」として約200万円の家庭用蓄電池を契約させたケースが報告されています。
後日訪れた工事担当者からは「装置は壊れていない。部品もモーターも正常だ」と告げられた、という内容です。
自治体が特定の事業者に個別訪問販売を委託することは、通常ありません。言われた場合は、委託元の部署名と電話番号を聞いて、自分で自治体に確認してください。
「今すぐ対策しないと損します」「今日中なら割引できます」。冷静に考える時間を取らせないまま、その場での契約を求める流れです。
太陽光も蓄電池も、本体価格に加えて工事費や設置条件で金額が大きく変わります。提示された見積もりが高いのか安いのか、その場では判断できません。
この点については、公的なデータで基準を持てます。後の項で扱います。
ネットで探せば複数社を並べられますが、訪問販売はその場で完結させようとします。相見積もりを取られると成約率が下がるためです。
誤解のないよう補足すると、訪問販売そのものは適法で、誠実に営業している事業者も存在します。問題は手法ではなく、比較の機会が失われることにあります。
| トーク | 事実 | 返す言葉 |
|---|---|---|
| 「点検が義務化されました」 | 一般家庭への一律の点検義務化は行われていない | 「根拠となる法令名と条文を書面でください」 |
| 「市(区)から委託されています」 | 自治体が特定事業者に個別訪問販売を委託することは通常ない | 「委託元の部署名と電話番号を教えてください」 |
| 「近所で工事をしていて安くできます」 | 実在確認ができないことが多い。相談事例でも定番の入口 | 「その現場の住所を教えてください」 |
| 「補助金が今日までで終わります」 | 受付状況は自治体の公式サイトで誰でも確認できる | 「自治体に直接確認します」 |
| 「今日契約すれば○○万円引き」 | 翌日消える割引は割引ではない。元の価格に余白があった証拠 | 「その価格で1週間有効な見積書をください」 |
| 「電気代が0円になります」 | 完全に0円になる家庭はごく一部。断定はできない | 「試算の根拠と、想定した電力単価を書面でください」 |
断り方に技術は要りません。「その場で決めない」の一点だけを守れば、これらのトークはすべて無効化されます。本当に良い条件なら、数日後も同じ条件で提示できるはずです。
東京都の蓄電池補助は全国で最も手厚い制度です
制度を使い切れる業者かどうかで、実質負担額は数十万円変わります。検討中の機種が10月以降も対象になるかを含めて、まず見積もりで確認してください。
※見積もりを取っても契約の義務はありません。補助金は年度途中で受付を終了する場合があります。
「営業コストが乗るから」とだけ書かれている記事が多いのですが、公的なデータで具体的に確認できます。
経済産業省の「定置用蓄電システム普及拡大検討会 結果とりまとめ」には、家庭用蓄電池の実績価格が2種類載っています。
| 価格 | 意味 | |
|---|---|---|
| 補助事業データ(2023年度) | 12.1万円/kWh (設備費11.1+工事費1.0) | 補助金申請を通っている=価格が第三者の目にさらされている案件 |
| 補助事業外の事業者ヒアリング | 設備費15〜20万円/kWh | 一般市場の価格帯 |
同じ製品でありながら、流通経路によって1.35倍から1.8倍の開きがあります。訪問販売の価格帯は、ほぼ例外なく後者の範囲か、それを上回る位置にあります。
ネット上の多くの記事は「蓄電池の相場は15〜20万円/kWh」と書いていますが、それは補助事業を通さない場合の数字です。補助金を使って導入するなら、基準にすべきは12万円/kWh前後のほうです。
住宅用太陽光の設置費用は、2025年設置の全国平均で新築28.9万円/kW、既築30.1万円/kWです(経済産業省「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」)。5kWなら145〜151万円が目安になります。
一方、市場では訪問販売による提案で太陽光パネル単体が200万円を超える例が報告されています。相場の1.3倍以上です。
見積書を渡されたら、電卓を1回叩くだけです。
総額 ÷ 容量
蓄電池 → 20万円/kWh を大きく超えていないか
太陽光 → 30万円/kW を大きく超えていないか
超えていれば、一般市場の水準も上回っています。その場で契約する理由はありません。
違法ではありません。契約内容と金額を明確に伝え、消費者が納得して契約するのであれば問題ありません。
ただし、次の行為は特定商取引法に違反する可能性があります。
| 類型 | 具体例 |
|---|---|
| 不実告知 | 事実と異なる説明。「点検が義務化された」「必ず元が取れる」など |
| 重要事項の不告知 | 費用の内訳や将来的なリスクを説明しない |
| 威迫・困惑行為 | 強い口調で契約を迫る、退去を求めたのに帰らない |
重要なのは、これらに該当する場合、クーリング・オフ期間の8日を過ぎていても契約を取り消せる可能性があることです。次の項で扱います。
訪問販売にはクーリング・オフ制度があります。契約書面を受け取った日を1日目として8日間、書面等で申し入れれば無条件に契約を解除できます。
起算日は「契約日」ではなく「法定書面を受け取った日」です。書面の記載に不備がある場合、8日間が起算されていないと解される余地もあります。
違約金や工事費の請求はできず、すでに工事が行われていた場合も原状回復の費用は事業者負担です。
国民生活センターは、クーリング・オフ期間の経過後でも契約の取消ができる場合があると明示しています。事実と異なる説明を受けていた場合などが該当し得ます。
「義務化された」「市から委託された」という説明を受けていたなら、まさにこの類型に当たる可能性があります。期間を過ぎていても、まず相談してください。
5番目を忘れると、販売会社との契約は解除できてもローンだけ残るという事態になりかねません。販売会社と信販会社の両方に通知するのが原則です。
なお、自分から店舗や展示会に出向いて契約した場合や、自ら請求して訪問を受けた場合は対象外となることがあります。判断に迷う場合も188へ相談してください。
話を聞く義務も、契約する義務もありません。理由を詳しく説明する必要もありません。
あいまいな返事をすると話を続けられます。短く、きっぱり伝えてください。
特定商取引法では、消費者が契約しない意思を示した場合、再度の勧誘は禁止されています。引き下がらない場合は「これ以上続くなら通報します」と伝えてください。
インターホン越しの対応で十分です。ドアを開ける必要はありません。無理に丁寧に対応しようとしなくて構いません。
すでに見積書を受け取っている場合、それは捨てるものではありません。
型番と容量が書かれた見積書は、他社に同一条件で相見積もりを依頼するための最高の資料です。
「この型番・この容量で、御社ならいくらですか」と聞けば、条件を揃えた比較が一度で成立します。契約するかどうかは、その数字を見てから決めれば十分間に合います。
逆に、型番の記載がない見積書は、そもそも比較ができません。「一式」表記しかない、型番を教えてもらえない、あるいは「後で決めます」と言われた場合は、その場で契約すべきではありません。
東京都の蓄電池補助は全国で最も手厚い制度です
制度を使い切れる業者かどうかで、実質負担額は数十万円変わります。検討中の機種が10月以降も対象になるかを含めて、まず見積もりで確認してください。
※見積もりを取っても契約の義務はありません。補助金は年度途中で受付を終了する場合があります。
一般家庭に対して、点検が一律に法律で義務化された事実はありません。国民生活センターも、この説明を用いた勧誘への注意喚起を行っています。「義務化された」と言われた時点で、その場での契約は避けてください。
関連サイト:太陽光メンテナンスはどこに頼む?失敗しない依頼先と選び方を徹底解説
断って問題ありません。話を聞く義務も契約する義務もありません。特定商取引法では、契約しない意思を示した消費者への再勧誘が禁止されています。
依頼していない無料点検は受けないほうが無難です。点検商法の相談は2025年度に19,696件と高止まりしており、2026年度も前年同期を上回っています。本当に点検が必要なら、設置した業者に自分から依頼してください。
できます。総額を容量で割ってください。蓄電池なら20万円/kWh、太陽光なら30万円/kWを大きく超えていれば、一般市場の水準も上回っています。経産省の補助事業データでは蓄電池が12.1万円/kWh、太陽光は既築で30.1万円/kWが目安です。
値引き幅は価格の妥当性を示しません。判定は必ず「値引き後の総額 ÷ 容量」で行ってください。値引き後でも相場を超えているケースは珍しくありません。その場で30万円引ける営業は、30万円分の余白を最初から持っていたことになります。
自治体が特定の事業者に個別訪問販売を委託することは通常ありません。委託元の部署名と電話番号を聞いて、自分で自治体に確認してください。実際に「市から委託された」と名乗る事業者が約200万円の蓄電池を契約させた事例が公表されています。
期間経過後でも契約を取り消せる場合があります。事実と異なる説明を受けていた場合などが該当し得ます。消費者ホットライン「188」へ相談してください。工事が着工済み・完了済みの場合も同様です。
クーリング・オフの通知は、販売会社と信販会社の両方に送ってください。販売会社にだけ通知すると、契約は解除できてもローンだけ残る可能性があります。手順は188で相談員に確認できます。
訪問販売そのものが悪いわけではありません。ただ、その場で決めなければならない理由は1つもない。
焦る必要があるのは、あなたではありません。
東京都の蓄電池補助は全国で最も手厚い制度です
制度を使い切れる業者かどうかで、実質負担額は数十万円変わります。検討中の機種が10月以降も対象になるかを含めて、まず見積もりで確認してください。
※見積もりを取っても契約の義務はありません。補助金は年度途中で受付を終了する場合があります。
参考にした一次情報
国民生活センター「太陽光発電システムの点検商法が急増!」(2025年6月4日公表・2025年9月22日更新)/国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」(2026年7月31日更新)/国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月3日公表)/経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」(2025年3月7日公表)/経済産業省「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日公表)
※本記事の価格は工事費込みの目安であり、設置条件・メーカー・機種により変動します。法制度の内容は変更される場合があります。契約に関するご相談は消費者ホットライン「188」をご利用ください。